1.平成20年度の相場動向
単価の動きを週ごとにみると、下図の通りである。例年よりやや遅れ気味ながらも、その前年に比較すればほぼ順調に採苗、育苗を開始した九州有明海の秋芽網は、まずまずの生産推移であったが、贈答筋を中心とする高品質、高価格帯製品への札値は大きく期待を下回った。瀬戸内は栄養塩量がほぼ潤沢で、最悪といえる前漁期を大きく上回り平年並の生産。業務筋を中心に平均単価を押し上げた。東日本は、宮城の病害対策や千葉の天候不順による生産量の伸び悩みにより、相場も沈滞。冷凍網では、九州有明海の相場は全般的に低調。業務用の仕入に注力され、札は伸びず。主力の瀬戸内産は、中級から下物まで意欲的に買い進められた。東日本は宮城が挽回。千葉は気象条件に恵まれず相場も低迷模様。
全国的に特筆すべきは、下物を中心とした過熱感。漁期終盤まで、色のない品物でも強い応札が見受けられた。そのため上級品が相場を下げ、下級品は値が下がらず、価格相応の波が小さい相場動向となった。
2.全般的な消費動向
贈答用消費は、依然として明るい兆しは無い。もはや消費動向を左右するだけのシェアを維持できるか否かの境界線にあるといっても過言ではない。
業務用は堅調に推移している。大手量販店が自社ブランド製品に注力する傾向にあり、価格訴求のためノリ関連製品の納入単価は上がらないものの、キャンペーン対象商品へのおにぎりの起用が多く、消費量は底堅い。
家庭用の加工品は、ほぼ横ばいの消費と見られる。下物原料の相場高により、色や味などの品質と価格とのバランスが消費に影響するかが鍵となる。
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図−4 過去3カ年の平均単価の推移(週別「海苔速報」から)
注:11月は共販開始から26日までの累計平均値、3月は23日までの結果 |
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