のりホームページ

全国海苔貝類漁業協同組合連合会
会長挨拶 全海苔案内 新着情報 海苔の知識 海苔の日
  海苔養殖全般

ノリの生活史

 まず最初に生活史というのは、動物や植物が生まれてから死ぬまでの一生をあらわす歴史のことです。
 ノリの生活史は、タネが発育生長して食べられる葉っぱのようなノリとなり、その葉っぱのようなノリがまたタネを残して枯れていくまでをあらわしています。すこしくわしく説明しましょう。
 春になりあたたかくなります。ノリは海の中で1番目のタネ(果胞子(かほうし)といいます)をつくると色がなくなり枯れてしまいます。果胞子は海の中を流れていって貝殻につきます。すると果胞子は枝をのばして貝殻の中にもぐっていきます。春から夏までノリは貝殻の中で糸のような枝(糸状体といいます)をのばしながら生長します。秋が近づくと糸状体の枝のさきのほうに2番目のタネをつくります。2番目のタネは貝殻の中にあるので、これを殼胞子(かくほうし)といっています。
 秋になり水温が低くなると、殼胞子は貝殻からいっせいにとびだします。そして海水面近くの石や岩にひっついて発芽し生長をはじめます。秋から冬にかけてどんどん生長し大きな葉っぱのようになります。これを葉状体(ようじょうたい)といいます。これがいま食べているノリになります。ノリは伸びはじめるときに葉状体のさきの一部を切りはなします。切りはなした細胞のひとつひとつが3番目のタネ(単胞子(たんほうし)といいます)になります。単胞子はそれぞれ最初の葉状体のすぐ近くについて生長し、同じ仲間をたくさんふやします。こうして寒い冬のあいだ、ノリは伸びつづけます。
 また、春になると果胞子をつくり、子孫をのこして一生を終えます。

ノリの栽培

<貝殻糸状体〔写真1〕の培養>ノリの栽培は春、貝殻(カキの貝殻をよくつかいます)に糸状体を植えつけることから始まります。2〜3月ころ特によいノリを選んでその葉状体から果胞子をカキ殻にまきつけます。最近は、あらかじめ果胞子から作っておいたフリー糸状体(しじょうたい)を使って、糸状体を直接カキ殻に植えつける方法が一般的になっています。フリー糸状体というのは貝殻にもぐりこんでいない糸状体のことで、試験管やフラスコなどで長期間保存することができます。植えつけてから夏まで、海水にひたした貝殻の中で糸状体がゆっくりのびていきます。そのあいだ病気や栄養不足にならないように、何回もきれいな海水と交換します。秋に近くなると昼の時間が短かくなり糸状体に殼胞子ができてきます。

<採苗>秋になって水温がさがると、殼胞子(2番目のタネ)がカキ殻からでてきます。このタネをノリ網につけます。これを「採苗(さいびょう)」といいます。採苗には海面に網をはってその下にカキ殻糸状体をつけてタネをつける野外採苗(やがいさいびょう)〔写真2-1〕と、陸上に作った水槽にカキ殻糸状体を入れ、その上の水車のような枠に網をはり回転させてタネをつける陸上採苗(りくじょうさいびょう)〔写真2-2〕の二つの方法があります。

<育苗>タネをつけたノリ網は一定の時間空気中(海の上)に出して乾燥させます。このことを干出(かんしゅつ)〔写真3〕するといいます。干出は雑藻をとりのぞく、ノリの芽を強くする、単胞子を多くだすなどのためにおこないます。よく干出されたノリ芽は健全なタネ網となります。タネ網をつくるまでの作業を「育苗(いくびょう)」といいます。このタネ網の一部は冷凍して替え網にします。また一部はそのまま海にはってノリの本育成にはいります。

<育成>本育成には二通りの方法があります。一つは浅い海に支柱を建てて網をはる方法で支柱(しちゅう)式栽培法〔写真4〕といいます。もう一つは海の深いところに浮きとオモリとでロープのいかだを作りその中に網をはる方法で浮き流し(うきながし)式栽培法〔写真5〕といいます。

<摘採>育苗からそのまま育成にはいったノリは秋から初冬にかけて収穫されるので秋芽網(あきめあみ)栽培といいます。一度冷凍されたタネ網は12月末〜3月まで収穫されます。これは冷凍網(れいとうあみ)栽培といいます。ノリの収穫は葉状体を摘み採ってくることから「摘採(てきさい)」といいます。通常秋芽網は2〜3回摘採し、網を冷凍網にはりかえて5〜7回摘採します。現在は自動車のバンパーのようなガードをつけた高速摘採船(こうそくてきさいせん)〔写真6〕ですばやく摘採することが多くなっています。

<製造>摘採してきたノリは、洗う、刻む、抄く、乾すなどたくさんの工程をへて乾海苔になります。その大部分は全自動乾海苔製造装置〔写真7〕など大型の機械でオートメーション化されています。

平成14年11月
全国海苔貝類漁業協同組合連合会


▲ このページのトップへ
海苔の知識
 海苔養殖全般
 統計資料
 海苔の効用
貝殻糸状体の培養
写真1
野外採苗
写真2-1 野外採苗
陸上採苗
写真2-2 陸上採苗
干出風景
写真3 干出風景
支柱式漁場
写真4 支柱式漁場
浮き流し式漁場
写真5 浮き流し式漁場
高速摘採船
写真6 高速摘採船
全自動乾海苔製造装置
写真7 全自動乾海苔製造装置
Copyright (c) 全国海苔貝類漁業協同組合連合会 All Rights Reserved.